はじめに
あなたが「ミスコン」と聞いて思い浮かべる大会名は何ですか?
おそらく
・ミス・ユニバース
・ミス・ワールド
・ミス・インターナショナル
など「ビッグ3」と呼ばれる大会ではないでしょうか?
しかし実際は、まだ日本に入ってきていないだけで、これら以外に世界中には何十種ものコンテストが存在しています。
実際に、私が運営する「Lady Universe Japan(レディ・ユニバース・ジャパン)」もその一つ。
Lady Universe(レディ・ユニバース)は2016年からブルガリアで始まったかなり新しい大会です。
私がレディ・ユニバースの初代日本代表だったのもあり、オーガナイザーからの依頼で2016年からナショナルディレクターに就任しました。
※ナショナルディレクターとは…「大会の運営権限のある者」のこと、また「コンテスタントを選ぶ者」「コンテスタントに指導をおこなう者」を含みます。
ただ、先ほどのように、「ビッグ3」と呼ばれる大会しか日本には存在していないと思っている人が多く、また、その「ビッグ3」ですら知らない人もたくさんいます。
それどころか「ミスコンテストって何?」という人もいます。
これは私自身、コンテスタントとして活動していた時も疑問に思っていたことでした。
「なぜ日本ではミスコンが認知されないのか?」
「なぜミスコンは日本で流行らないのか?」
と。
調べていくと、日本独自の文化によりコンテストが広まりにくいことがわかりました。
①アニメ・アイドル文化だから
まず1つ目の理由は、日本は「ロリコン」「アイドル嗜好」の文化だからです。
いわゆる「二次元恋愛」「アニメ」「AKB」の類が日本で流行っているのが顕著な例ですね。
一方、コンテストでは「自立性」「健康美」「女性らしさ」を兼ね備えた、「成熟した」女性が求められます。
しかし、日本では「カワイイ」「幼い」「小さい」「か弱い」が代名詞となる女性が、男性から好まれやすい傾向にあります。
これは、日本の男性が「女性より上の立場でいたい」と思う男尊女卑的考えの現れかもしれません。
また、意見をはっきり言う女性を否定的に見たり、「生意気だ」と思う人がいるのも確かです。
これもまた、かつて日本に男尊女卑の文化が根付いていたからでしょう。
現在では「男女平等」「女性の社会進出」が増えてきたため変化しつつありますが、それでもなお、「男尊女卑」の名残があるのは事実です。
実際にニュースでも、性差別からくる大学入試の事件が話題になりましたね。
私は男尊女卑が必ずしも悪だとは思いません。
男尊女卑は一見差別的に聞こえますが、その男尊女卑が根付いた裏には「女性を働きに出さず家にいさせることで、そうやって男が女性を守っていくのだ」という日本男児ならではの「大和魂」「美徳」も隠されているから。
草食系男子が増える現在、そんな男性もなかなかたくましいじゃないですか。
しかし、コンテストの世界では
・オピニオンリーダーとなる女性
・しなやかで自立した女性
・健康的な美女
・SexyでMature(成熟した)な女性
などの要素を含む女性が「世界基準の美女の象徴」とされています。
上記と正反対の「カワイイ」「幼い」「小さい」「か弱い」を好み、「男性が女性よりも優位に立つ文化」の日本では、コンテストが流行らないのはある意味当然なのかもしれません。
②先進国だから
そして2つ目の理由は、日本が「先進国」だからです。
「ミスコンとどう関係があるの?」と思う方もいるかもしれません。
私がミスコン大国であるフィリピンのセブ島に行った時にのこと。
ローカルの海へ行った時に立ち寄ったとあるバーがあるのですが、そこのオーナーが、
「君、もしかしてミス・ツーリズム・ワールドのミスジャパン?」と言ってきたのです。
これには本当に驚きました。
なぜなら、こんなフィリピンの田舎で私のことを知っている人がいるなんてありえないから。
よくよく話を聞くと、ミス・ツーリズム・ワールドの世界大会番組中継で私を見たのだそう。
オーナーさんの記憶力もすごいですが。
そして、私が「そうだったんですね!すごい記憶力!フィリピンではTVでよくミスコンを生放送するの?」と聞くと、
オーナーさんは「当たり前じゃないか!フィリピンでミスコンの視聴率は80%を超えるよ!」というのです。
それを聞いて、また驚いたのを覚えています。
では、なぜフィリピンではそんなにミスコンの視聴率が高いか分かりますか?
それはフィリピンが「新興国」だからなのです。(豊かになりつつあります)
私がセブへ行った時に感じたのは、交通機関や衛生面など、まだまだインフラが整っていなかったこと。
また、宗教的な理由(カトリック)から、避妊をせず子どもをどんどん産むので、一つの家族が10人で構成されているということも当たり前。
また、路上に暮らしている人もまだまだたくさんいます。
貧富の差が激しい上に、大家族となると余計に貧困を助長させます。
そんな新興国のフィリピンでは、ミスコンで代表に選ばれると「家族全員が一生食べていける」「一生安泰」と言われています。
つまり、フィリピンでミスコンに出場することは誰もが憧れる「サクセスストーリー」なのです。
また、女の子のいる家庭では、娘にミスコンに出るよう強制する親もいるのだとか。
そんなサクセスストーリーへの憧れから人気が高まり、ミスコンはフィリピンで誰もが知ってるものとなったのです。
一方、日本ではどうでしょうか?
日本はとても豊かな国です。
ミスコンに出場しなくても、仕事をすれば一生食べていけることでしょう。
少なくとも路上生活はありません。
つまり、こんなに豊かな日本にとって、ミスコンはフィリピンのようなサクセスストーリーの位置付けではないのです。
しかし、フィリピンでは日本のように平々凡々とはしていられません。
自分や家族の一生がかかっているわけですから。
確かに、私が出会ったミスフィリピンはミスコンにかける思いや気迫が他国のミスたちに比べ、断然違っていました。
ミスコンが日本で流行らない理由は国柄にもあるということです。
おわりに
いかがでしたか?
国の文化背景や考え方によってミスコンの人気度は左右されるということ。
こういった国際的教養や知識はミスコンでは非常に大切です。
豊かな日本で育ったからと言って、危機感なくボヤっとしているとミスフィリピンやその他のミスたちの気迫やパワーには勝てません。
彼女たちは自分の人生や家族の人生をかけて生きています。
そして、中には戦争を経験しているミスまでもいます。
そういった知識を踏まえた上で、世界大会に挑んでくださいね!
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